社会的な孤立状態と孤独が、慢性炎症(心身の健康状態)と関連していることが明らかに
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の藤原武男教授らとインターパーク倉持呼吸器内科の研究グループは、コロナ禍における社会的孤立と孤独が心身の健康状態(慢性炎症)に影響を与えている可能性があることを明らかにしました。
COVID-19の流行によってソーシャルディスタンスの確保や不要不急の外出自粛要請がなされた結果、多くの人が社会的孤立や孤独状態に陥りました。しかしそのことが全身の慢性炎症に与える影響や、社会的孤立と孤独の相互作用については明らかにされていないため、この研究が実施されました。
研究の結果、以下の3点が明らかになりました。
① 男性の孤立-孤独状態が慢性炎症レベルの上昇と関連していること
② また女性および労働年齢層の非孤立-孤独状態が慢性炎症レベルの低下と関連していること
③ 社会的な孤立状態と孤独を感じていることが相互に作用しあい、慢性炎症と関連していること
これらの新たな知見から、新型コロナウイルスの大流行が起きている現在の状況において、市民の社会的関係に適切な介入を行うこと、またそのために社会的孤立と孤独間の両方を評価することが重要であると考えられます。