社会的なつながりの弱い個人がマスクを着用しない傾向が明らかに
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の藤原武男教授らとインターパーク倉持呼吸器内科の研究グループは、社会的なつながり(社会的統合)の弱い個人がマスクを着用しない傾向があることを明らかにしました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、飛沫の飛散を防止するマスクの着用は大きな効果があると考えられています。これまでの研究によって、周囲の人間から受ける影響がマスクの着用行動に影響を与えている可能性が指摘されていました。しかし、個人が持つ社会的なつながりの強さとマスク着用率の関連は明らかにされていないため、この研究が実施されました。
無作為に抽出した宇都宮市内の男女645名を対象に調査を行った結果、以下のことが明らかになりました。
① 645人中、マスクを着用しない人は13名であった
② 社会的なつながりの弱い個人はマスクを着用しない傾向がみられた
③ マスクを着用しない人は自営業もしくは無職で、手洗いなどの感染予防行動もしない傾向が明らかになった
マスクを着用しない理由は明らかにされていません。しかし、社会的なつながりがマスクの着用を促す理由として、他者への責任感の向上やマスクを着用する規範の伝播などが指摘されています。これらの新たな知見から、人々のマスク着用を促進するために、社会的つながりの度合いを上げていくことの重要性が示唆されました。